2026年11月5日
英国の記憶と、奥様の手仕事でつくる、わが家のキッチン
昨年イギリスから帰国されたお客様が、ご両親から譲り受け、10年以上空き家にしてあった自宅に戻られました。昭和の時代に、当時としてはかなり凝って建てられたであろう風情のある住まいです。ただ、傷んでいる箇所もあり、耐震補強も兼ねて、まずは古いキッチンの改装から始めることになりました。結果的に改装する部屋が増え、工期も当初の予定より長くなりましたが、そのぶん家全体が心地よい空間に生まれ変わっています。

「ピンと来ない」から、ワイズへ
お客様が理想としていたのは、イギリスの家のキッチンです。使いやすく、しかも雰囲気がある。その心地よさが忘れられず、日本のメーカーのキッチンを見てもなかなかピンと来なかったそうです。そんなときにワイズキッチンファクトリーのホームページをご覧になり、「コンセプトに合う」とお声がけくださいました。
ご主人のお仕事の関係で、国内外の転勤が続き、これまでは賃貸暮らしでした。今回が初めて、ご自分たちの家を改装する機会です。思い入れが強いのは当然のことでしょう。
特筆すべきは、奥様の準備の周到さです。これまでの生活経験と理想をもとに、使いたい機器もキッチンのデザインもはっきり決まっていました。細部まで調べ上げ、レイアウトを考え、ラフ図面まで自ら描き、設計とコーディネートをお一人で進められました。私たちはそれを形にするお手伝いをした、という立場です。
白と深いオーク、2色のシェーカー扉
扉は、シンプルな框のシェーカースタイルを2色で構成しました。
ベースキャビネットは、ホワイト系のウレタン塗装です。ウォールキャビネットにはオーク突板を使い、自然塗料で染色して拭き取る塗装で仕上げています。木目を生かした深い茶色が、白い空間のなかで落ち着いたアクセントになります。
ハンドルは、お客様が海外から取り寄せた数種類を使いました。引き出し、開き扉、ウォールキャビネットと場所ごとに使い分けたことで、既製品にはない表情が生まれています。天板は、ベージュの石目調アクリル系人工大理石です。やわらかな色合いが、白い扉とオークの両方になじみます。
機器では、ミーレの食器洗い機と電気オーブンが必須アイテムでした。ご希望のとおりビルトインし、見た目にも機能面にも、お客様のこだわりを反映しています。


解体して見えてきたこと、そして南向きのキッチンへ
解体してみると、さまざまな事情が明らかになりました。検討を重ねた結果、既存のダイニングキッチンから、もともと寝室だった部屋に、新しいダイニングキッチンを移すことになりました。
寝室は南側で、庭に面しています。北側にあった以前のキッチンと比べると、ぐっと明るい場所です。この発想も、実は奥様のアイデアでした。窓の外の緑を眺めながら過ごせる、気持ちのよい空間になっています。
壁も天井も、奥様ご自身の手で
もうひとつの大きなこだわりが、しっくいです。もともとの家は、壁も天井もすべてしっくい仕上げでした。今回の改装でもビニールクロスは使わず、しっくいで仕上げる方針です。
驚いたのは、奥様がワークショップで塗り方を学び、職人さんに頼まずご自分で塗られたことです。キッチン前のタイルも、奥様の手によるものです。
海外では、自分たちで壁を塗り替えることは珍しくないといいます。それでも、高い天井まで足場に乗って塗り上げる姿には、本当に驚かされました。


唯一無二の、心地よい空間に
雰囲気のある既製品ではない室内ドアなどの建具も、あわせてリフォームしました。キッチンだけでなく、まわりの空間全体が調和し、落ち着いた佇まいになっています。
イギリスでの暮らしの記憶、長年の理想、そしてご自身の手仕事が重なって、思い入れの詰まったキッチンが完成しました。私たちにとっても、お客様の思いを形にするお手伝いができたことが、何よりの喜びです。
自分らしいキッチンを、一から形にしたい方へ。ワイズキッチンファクトリーが、お客様の想いに寄り添ってお手伝いします。どうぞお気軽にご相談ください。