2019年3月8日
戸建て住宅のリノベーションに合わせて、天然石や古材などの本物の素材にこだわったマントルピースをオーダー製作しました。

今回のお客様が、新しい住まいで何よりも実現したいと考えていたのが、マントルピースのある空間でした。
生まれ育ったハワイの家で、ご家族にとって大切な場所だったというマントルピース。以前、日本で暮らしていた住まいでは実現できなかったこともあり、今度こそ理想の空間をつくりたいという強い思いをお持ちでした。
ご要望のキーワードは「ワイルド」「シンプル」「本物の素材」。
その思いを形にするため、素材の質感や経年変化を生かしながら、空間全体に存在感を与えるマントルピースを計画しました。

エタノール暖炉の参考画像
本物の炎を楽しめるエタノール暖炉を採用
日本の住宅事情を考慮すると、薪をくべて使う本格的な暖炉の設置は容易ではありません。そこで今回は、エタノール暖炉を組み込んだマントルピースをご提案しました。
電気で疑似的な炎を演出するタイプではなく、実際に炎が燃えること、そして暖房としての機能も備えていることが、お客様にとって大切な条件でした。
検討の結果、アメリカから暖炉本体を輸入して採用することに。国内代理店を通さない輸入品のため、品質や保証に関する条件についても事前に確認し、ご理解いただいたうえで導入しています。
暖炉本体には、ステンレスフレームからの離隔距離など、設置に関する指定寸法があります。それらの条件を踏まえて内部の寸法を決定し、不燃材で囲うなど、納まりと安全性に配慮して製作しました。
実際に暖炉を組み込むと、内部にも十分な存在感が生まれ、空間の主役となる仕上がりになりました。

天然石と古材が生み出す、素材本来の表情
床面には、バーナー仕上げの天然石を採用。光沢を抑えたマットな質感と、ワイルドな手触りが、空間に力強さを与えています。
マントルピースのコの字型部分にも、モルタルでつくった擬石ではなく、本物の石を使用しました。数多くのサンプルの中から、色や表情を見比べながら選び抜いたこだわりの素材です。
カウンター部分には、釘跡や打痕、鋸目が残るパインの古材を使用。ご希望の色に染色し、艶消しのウレタン塗装で仕上げました。化粧梁やケーシングも同じ色調で統一することで、空間全体にまとまりを持たせています。
カウンターより上の部分には、栂(ツガ)材を採用し、シルバーに染色しました。当初はコの字型部分と同じ石を貼る案もありましたが、重量面を考慮して素材を変更。異なる素材を組み合わせながら、デザイン性と安全性の両立を目指しました。
お客様自身のペイントで完成する、世界にひとつのマントルピース
お引き渡し後には、暖炉内部を囲う不燃材に、お客様ご自身でペイントを施される予定です。
イメージされているのは、長い年月を経て煤けたような、味わい深い表情。素材選びから仕上げの一部まで、お客様の思いを反映させながら、少しずつ理想の姿へと近づいていきます。
既製品を設置するだけではなく、住まい手の思いをくみ取り、素材や寸法、仕上げまで一つひとつ考えてつくるオーダー製作。今回のマントルピースも、こだわりが詰まった特別な一品となりました。