キッチンのレイアウトの種類と限られたスペースの活用ポイント!実例集も紹介
火まわり・水まわり・収納など多岐に渡る性能で構成されるキッチンには、料理のためのさまざまな作業の効率化を図ったレイアウトが存在します。
その中から作業する人の動線や体格に適したレイアウトを選ぶには、キッチンを多角的に見る必要があります。
この記事では、キッチンのレイアウトの種類を紹介し、限られたスペースを上手に活用するキッチン選びのポイントを解説します。
まだ見ぬ我が家のキッチンが具体的に想像できるよう、キッチンレイアウトの実例もぜひご覧ください。
キッチンのレイアウトの種類
キッチンのレイアウトは基本的に以下の6種類です。どれも作業効率をさまざまな方面から考えた配置になっています。
キッチンのレイアウトの種類を、メリット・デメリットを含めて紹介します。
I型キッチン
I型キッチンは一般的に壁に付けて設置される、コンロ・作業台・シンクの機能が横一列に並んだ、よく見るタイプのキッチンのことです。
最近人気の対面式でも、3つの機能が横並びの場合であればI型キッチンと呼ぶケースもあります。
メリット | デメリット |
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【壁付け】 ・低コストで設置が可能 ・リビング・ダイニングを広々と確保できる ・油や水が飛び散りにくく掃除が楽 【対面】 ・対面は明るく開放的 ・キッチンの中が隠せる | 【壁付け】 ・家族とのコミュニケーションが取りにくい ・リビング・ダイニングから丸見え ・手元が暗いため照明が別に必要 【対面】 ・油汚れや水はね対策が必要 ・複数で作業すると動線が重なってしまう |
横に移動しながら作業するのに適した形で、少人数世帯の省スペースでも設置できるため都会の住宅に向いています。
L型キッチン
シンクとコンロがL字に分かれて配置されているL型キッチンは、部屋の角に設置して両方とも壁に付けるか、シンク側を対面にするかが選べます。
メリット | デメリット |
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・作業スペースや収納が広く取れる ・複数人での料理がしやすい ・ワークトライアングルが実現しやすい ・コンロは壁付けにすると掃除しやすい ・動線が短く済む | ・角が活用しにくい ・広い設置面積が必要 |
家族が多く、作業効率を上げたり収納量を増やしたりする必要がある場合に適したキッチンです。
コンロとシンクが90度で向かい合うように設置できるため、動線をコンパクトに設定できます。
Ⅱ型キッチン
Ⅱ型キッチンは、コンロのある壁付けとシンクのあるアイランドの2列に分かれて配置された、L型と同様、壁付と対面のメリットを両方併せ持ったキッチンです。
2列型・セパレートタイプなどの呼び方があります。
メリット | デメリット |
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・配膳・片付けが楽 ・作業スペースや収納が広く取れる ・壁付けのコンロは掃除しやすい ・複数人での料理がしやすい ・キッチンの中が見えにくい ・リビング・ダイニングを見渡せる | ・シンク・コンロ間の移動中、水などで床が汚れやすい ・料理中、身体の向きを何度も変える ・広い設置面積が必要 |
シンクとコンロが背中合わせになっていると料理中のやけどの危険性が高まるため、配置はずらした方がいいでしょう。
U型キッチン
U型キッチンはコの字型キッチンとも呼ばれる、シンク・作業台・コンロをそれぞれに分けて配置するのがおすすめの、コックピットのようなキッチンです。
ワークトップをU字につなぐ際、つなぎ目に隙間ができたりU字にできなかったりする素材があるため、選択肢が限られる場合があります。
メリット | デメリット |
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・作業スペースや収納が広く取れる ・配膳・片付けが楽 ・コンロを壁付けにすれば掃除が楽 ・1辺を対面にすることも可能 | ・広い設置面積が必要 ・リフォーム費用が高め ・3辺が塞がるため圧迫感がある ・コーナーがデッドスペースになりやすい |
向きを少し変えるだけでコンロ・シンク・作業台へとアプローチができるため作業効率が高めです。
アイランド型キッチン
アイランド型キッチンは、シンクとコンロ・またはそのどちらかが設置されたキッチン部分を、どの辺も壁と繋げずに島のように独立させて配置しています。
アイランド型にはI型キッチンと、Ⅱ型キッチンのうちの1列がアイランド型のものと2種類のレイアウトがあります。
メリット | デメリット |
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・広い作業スペースが確保できる ・解放感がある ・配膳・片付けが楽 ・2人で料理しやすい ・写真映えする ・左右問わず出入りできる回遊動線 | ・キッチンのごちゃつきや手元が見えやすい ・収納が少なめ ・換気扇の選択肢が多くない ・リビングなどの場所を圧迫する ・広い設置面積が必要 ・リフォーム費用が高め |
手元が気になる場合は、対面部分に造作壁やカウンター部分に一段高い天板などを設置することで隠すことが可能です。
ペニンシュラ型キッチン
ペニンシュラ型(半島型)のキッチンはアイランド型の左右どちらかの辺が壁についている対面キッチンです。
メリット | デメリット |
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・広い作業スペースが確保できる ・解放感がある ・配膳・片付けが楽 ・壁付けのコンロは掃除しやすい ・2人で料理しやすい ・アイランド型より設置面積が狭く済む | ・キッチンのごちゃつきや手元が見える ・収納が少なめ ・リフォーム費用は高め ・配膳・片付けはアイランド型の方が楽 ・油はね対策が必要 |
壁に付ける分、スペース使用が効率的ですが、リビング・ダイニング側に油がはねないよう対策が必要です。
収納は少なめですが、背面にカウンターや壁面収納を設置することで解決は可能です。
限られたスペースをうまく活用するキッチンレイアウトのポイント
キッチンの設置・リフォームでは間取りや広さによる制限があるため、限られたスペースをいかに有効活用するかが大切になってきます。
ここでは、限られたスペースをうまく活用するために押さえたい、キッチンレイアウトのポイントを紹介します。
ワークトライアングルを意識する
ワークトライアングルとは、水まわりであるシンク・火まわりであるコンロ・冷蔵庫の3点を結ぶ三角形が表す作業動線のことで、意識してレイアウトすると作業性が上がるとされています。
以下はワークトライアングルの具体的な数値です。
- シンク・コンロ間は120~180cm
- シンク・冷蔵庫間は120~210cm
- コンロ・冷蔵庫間は120~270cm
- 上記3辺の合計は360~660cm
一般的にはL型・Ⅱ型・U型のキッチンがワークトライアングルを作りやすいといわれています。
I型キッチンの場合は、3点が横一列に並んでいることで横の移動距離が長くなるため、キッチン幅を270~360cm程度に留めるのがおすすめです。
ダイニングテーブルをどこに配置するか
家族の人数に合わせたテーブルを、どの程度の余裕をもってどこに配置するかというのは、キッチンレイアウトと切り離して考えることはとても難しいでしょう。
キッチンに対するダイニングテーブルの配置については、対面キッチンの場合にパターンがいくつかあります。
キッチンに対して垂直に配置 | 人気のパターン キッチンに背中を向ける人がいないためコミュニケーションが取りやすい 着席するとキッチンが片付いていなくても目立たない |
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キッチンに対して並行に配置 | 広幅のテーブルが配置できる キッチンから少し離すと空間がすっきりする スペースに余裕がある場合に適している |
キッチンに横付け | 配膳・片付けが楽 食事をする場所として区別がつけやすい |
ダイニングテーブルを設置しない | キッチンにカウンターが設置されている 作業台の反対側がテーブルとして使用できる |
リビングに配置 | スペースが取れる場合 キッチンとリビング・ダイニングに明確な境がない場合 |
「キッチンに横付けしたかったけど、希望のサイズのテーブルが置けなかった」
「対面キッチンに対してダイニングテーブルが高すぎた(低すぎた)」
などということがないように、キッチンを考える際はダイニングテーブルについても後回しにせず一緒に検討しましょう。
実は大事な冷蔵庫の配置
冷蔵庫の配置を考える時、間取りや家庭の事情などを考慮して検討する必要があります。
- 冷蔵庫は奥行きが60~70cmほどあり、約45cmの食器棚と並べると出っ張る
- キッチンの入り口に置くと購入した食材をしまいやすく、家族も飲み物などが取りやすい
- 冷蔵庫の扉が開く向きに注意
冷蔵庫の出っ張りはリフォーム時に裏の壁だけ掘り込むと、位置を調整できます。
また、コンロ横に冷蔵庫を置くと放熱が妨げられ、故障したり電気代が高くなったりする可能性があるため、I型など横並びにする場合はシンク横かコンロから30cm以上離しての配置に限られます。
冷蔵庫のような重い家電は簡単に動かせないため、キッチンのレイアウトを考える場合は、冷蔵庫の配置場所も前もって検討しましょう。
ゴミ箱・コンセント・収納の配置も重要
ゴミ箱やコンセントの場所・収納の配置などは、後でその使いづらさに後悔することは少なくありません。
キッチンのゴミ箱は30~45Lがおすすめで、他の部屋のものより大きめのため、配置場所を確保しておかなければいけません。
また、使用する予定の家電の電源確保が重要ですが、キッチンではコンセントが不足しがちです。
他にも、食洗器を入れるなら食器棚をその傍に配置できるか、デッドスペースがある場合はそこに何を置くかなど工夫が必要です。
右利きか左利きか?身長は?
キッチンには実は右利き用と左利き用があります。そして身長に合っていない高さのキッチンは腰や肩に負担がかかり健康を害することがあります。
利き手でのキッチンの違いはシンクとコンロの位置といわれており、「冷蔵庫→シンク→作業台→コンロ」を、右利きなら右回りに、左利きなら左回りに配置するのが理想です。
またキッチンの高さはJIS規格により80~95cmの5cm刻みで定められ、実際は85cmを選ぶ人がほとんどですが、本当に使いやすいキッチンの高さは以下のようにして割り出せます。
- 身長÷2+5cm……日本でよく使われている
- 肘高-10(または15)cm……海外でよく使われている
ショールームなどで実際に試してみるのが一番ですが、迷う場合は少し高めにして、スリッパやキッチンマットなどで調整するといいでしょう。
既製品にないサイズで自分に合った高さを求めるなら、オーダーメイドキッチンがおすすめです。
オープンかクローズドか
キッチンレイアウトの他にも、キッチンを設置する間取りによって使いやすさや居心地の良さに違いがあります。
キッチンを設置する間取りには、オープンとクローズドがあります。
特徴 | メリット・デメリット | |
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オープン | ・ダイニングやリビングの方を向いて使用 ・対面キッチンとも呼ばれる アイランド型・ペニンシュラ型・U型 | ●コミュニケーションが取りやすい ●解放感がある ●配膳や片付けが楽 ✖汚れや匂いが広がりやすい ✖キッチンの中が見えやすい |
セミオープン | ・対面式を吊戸棚やコンロ前の壁などで部分的に仕切る アイランド型・ペニンシュラ型・U型 | ●コミュニケーションが取りやすい ●収納スペースが取れる ✖汚れや匂いが広がりやすい |
クローズド (独立型) | ・ダイニングやリビングに背を向けて使用 ・壁付けキッチンとも呼ばれる I型・Ⅱ型・L型・U型 | ●汚れや匂いが広がりにくい ●作業に集中できる ✖孤独な作業になる |
壁付けキッチンは省スペースで予算を抑えられます。
対面キッチンはおもてなしの機会が多い家庭、子どもを見守りたいけどキッチンが丸見えが気になるという場合はセミオープンなど、ニーズに合わせて選択しましょう。
キッチンレイアウトの実例集
実際のキッチンレイアウトの実例を紹介します。
使う人の希望を叶えるオーダーメイドキッチンの具体例です。
夫婦それぞれのキッチン
https://yskitchen.co.jp/blog/news143kittin-mokusei.html
依頼人様はご夫婦で料理をされるとのことで、それぞれが使いやすいキッチンを作りたいということでした。
ご主人様は買出しから始まり、仕込みなどを一人で黙々と楽しまれるため、壁付けのI型キッチンを。
一方奥様は家族とのコミュニケーションを大切にしながらの料理がご希望のため、対面式のペニンシュラに、奥様の必需品の食洗器を。
お2人の共通のご希望であるブラックウォールナットの無垢材で、高級家具の雰囲気を漂わせたキッチンに仕上がりました。
男っぽくカッコいい二列型アイランドキッチン
https://yskitchen.co.jp/blog/news169-kakkoiikittin.html
家づくりの方向とのブレを全く感じない、家具として存在するオーダーメイドキッチンは、高級感と重厚感を兼ね備えたトータルコーディネートを見事に完成させています。
アイランドキッチンの、外側からは見えないシンクの手前部分に給湯機や床暖房のコントロールスイッチが設置され、コンセントもキッチン本体に付けているため、インテリアに生じる違和感が徹底して排除されています。
荒々しい木目の床と天井に、アイアンフレームと収納のハンドル・ガスコンロを建具や間仕切りフレームと同様の黒で統一し、コーディネートしました。
広いアイランドカウンターは一人で嗜む料理はもちろん、大勢でのパーティーにも頼もしい味方です。
白いアイランド+L型キッチン
https://yskitchen.co.jp/blog/news82.html
https://yskitchen.co.jp/blog/news133kittin-yunyuukiki.html
L型とアイランドを組み合わせたホワイトの装飾が美しく、それでいて多種多様な調理機器の導入による高機能さも併せ持つオーダーメイドキッチンです。
クックトップは5口ガスコンロですが、幅90cmで広がった一面五徳は調理中の鍋の移動にとても便利。
そしてL型部分とアイランド部分の天板には、どちらも人工鉱石の硬く清潔な、キッチンに適した素材であるサイルストーンを採用しています。
導入した輸入器機であるVIKINGは高額なうえ、メーカーで定めている販売制約などもあるため、実績のある業者への依頼が安心です。
まとめ
キッチンの基本的なレイアウトは一般的に6種類ですが、使う人のスタイルや設置する家の間取りなど、希望と条件を丁寧にすり合わせることで愛着のあるその家だけのキッチンが出来上がります。
しかし業者がどこまでその希望を理解し共感できるかによって、その満足度は変わるでしょう。
キッチン専門メーカーでありオーダーキッチンブランドであるワイズキッチンファクトリーでは、使いやすいキッチンレイアウトについて、女性コーディネーターが主婦目線で一緒に考えます。
そしてそのレイアウトを叶えるのも、オーダーキッチンメーカーでありながら建設業許可も取得しているワイズキッチンファクトリーであればこそです。
建具修理から新築までこなせる幅広い技術と信頼性のある実績で、キッチンに必要なガス・電気・水道などの管工事も、ワイズキッチンファクトリーが承ります。
横浜・東京でオーダーキッチンをお考えの方はぜひ一度、ワイズキッチンファクトリーにご相談ください。