マンションのキッチンリフォームは制約を理解して上手に選ぼう!
マンションのキッチンリフォームは戸建てに比べると、制約があります。
どのような制約があるのか、マンションでも希望のリフォームができるのか、費用相場など、気になる点が多いためなんとなく勇気が出ない人は少なくないと思います。
この記事では、マンションのリフォームの費用相場や制約について、マンションでも可能なリフォームや代表的なレイアウト、リフォーム検討の際の注意点などを紹介します。
マンションでも、工夫次第で理想のキッチンリフォームは実現可能です。施工例も紹介するため、相談の際の参考にしてください。
マンションのキッチンリフォームとは
マンションのキッチンリフォームは、事前に行う諸々の確認が大切です。
ここでは、マンションのキッチンリフォームの費用相場や制約などについて紹介します。
マンションのキッチンリフォームの費用相場
マンションのキッチンリフォームの費用相場は50万~150万円といわれています。
キッチンリフォームには設備交換程度の小規模なもの、キッチン交換の中規模なもの、間取りやキッチンレイアウトを変更する大規模なものの3種類の方法があります。
種類によって相場は変わり、小規模の場合は50万円以下、間取りやレイアウト変更の大規模なリフォームは150万円以上が目安です。
これを踏まえて、まずはどのようなリフォームが可能なのか、管理組合に相談して規約を確認しましょう。
限られたスペースでのリフォーム
マンションでは、基本的にはその部屋の住人のスペースである『専有部分』だけを対象にキッチンリフォームが可能です。
マンションには共用部分と占有部分があって、玄関外の廊下やエントランス・エレベーターや階段などはもちろん、窓や玄関・ベランダも共用部分とされます。
リフォームが可能な内容については管理規約で定められているため、勝手にリフォームしてしまった場合は原状回復しなければならず、余計に費用がかかります。
希望のリフォームがそのマンションで許される範囲内なのかどうかを、前もって確認してから話を進めましょう。
制約がある
マンションのリフォームにはいくつかの制約が多くあります。理想のキッチンを実現するためには、制約に応じた工夫や対策を取ることが大切です。
まず、排水管が床下のコンクリートに埋まっている場合、排水管の移動ができません。
移動できたとしても、床下の限られたスペースで排水のための勾配がしっかりとれるか調査が必要です。
他にも、キッチンを動かした場合にガス管や排気ダクトの位置の移動が制限される場合があります。
電気配線については位置もそうですが、使用電力量に上限があるためにIHへの変更が許されていないというケースもあります。
マンションによってはリフォームの際に管理組合の承認が必要なところもあるため、管理規約や契約書をよく確認してみましょう。
マンション向けのシステムキッチンがある
マンションのキッチンリフォームに向けたコンパクトなシステムキッチンも用意されています。
マンションはその構造上、幅が狭く奥行きがあるリビングダイニングが多く、通常のシステムキッチンだと通路が確保できないケースがあります。
また、部材が大きくてエレベーターに乗せられず、外から運搬することになって追加料金が発生したり、そもそも運搬できなかったりするため、エレベーターのサイズ確認が必要です。
コンパクトなシステムキッチンであれば運搬時の心配がなく、対面キッチンへのリフォームでも通路が確保できるためおすすめです。
マンションで可能なキッチンリフォーム
規約の確認や管理組合への問い合わせは必要ですが、マンションで実施できるキッチンリフォームはたくさんあります。
マンションで可能なキッチンリフォームについて紹介します。
設備の交換・設置
コンロや食洗機の交換、食器棚の設置などは、費用を抑えつつ実現可能なリフォームです。
中には50万円以下程度でもできるものがあります。
以下は、リフォームの際に管理組合に確認が必要な小規模なリフォームの一例です。
- 電気やガスの使用量が増えるもの。食洗機・IHなど
- 配管や配線に関わるもの
- 下の階への防音・遮音のための床材
- 燃えにくさが求められる壁材
キッチン交換
キッチンの移動がない、新品に交換するのみの場合、費用相場は50~150万円です。
マンションのキッチンリフォームにおいて、レイアウトを変更せずにキッチンを新しいものに交換するのは、設備のリフォームにあたります。
しかし以下のような場合は、費用相場より高くなります。
- キッチンのサイズが変わる
- グレードの高いキッチンに交換する
- 食洗機や収納など機能追加のオプションが多い
- 配置を変更する
キッチン交換の費用を抑えたい場合は、これらを検討し直すのがおすすめです。
キッチン周辺のリフォーム
キッチン周辺は水はねや油はねによって汚れや劣化が気になる部分であるため、キッチンリフォームで床や壁の張り替えをすることで、機能的にもデザイン的にも高まります。
床材や壁材の制約はあるものの、例えばリビングと同じ素材を使用するだけでも部屋とキッチンに統一性が生まれます。
また、生活動線上に段差がある場合、リフォームによってフラットな床にすることで安全が確保できます。
耐久性や機能性も大切ですが、見た目から受ける印象は居心地の良さにつながるため、リフォームのタイミングで内装による空間作りも検討してみましょう。
間取りのリフォーム
間取りやレイアウトの変更はキッチンリフォームでも最も費用がかかります。
防音性や耐震性から考えて大規模な工事が難しい場合があるため、管理組合に確認してみましょう。
マンションリフォームのレイアウト変更にかかる費用相場は以下の通りです。
壁付けI型からのレイアウト変更 | 費用相場 |
---|---|
変更なし | 50〜150万円 |
ペニンシュラ型へ | 80〜200万円 |
L型へ | 100〜200万円 |
アイランド型へ | 150〜300万円 |
キッチンのグレードによってはこの費用相場の限りではありません。
レイアウト変更は、給排水配管や電気配線などが関わってくるため、事前の検討が重要です。
マンションのキッチンの間取り
マンションはスペースに制限があるため、キッチンレイアウトの選択は重要です。
ここでは、マンションで採用されるキッチンの間取りの種類について、ワイズキッチンファクトリーのマンションキッチンリフォーム事例とともに紹介します。
I型キッチン(壁付け・対面)
https://yskitchen.co.jp/blog/news168-sinpurunachurarunamannshonrinobe.html
I型キッチンはコンパクトなスペースにも設置しやすく、壁付けとしても対面としても設置できるため、マンションでも人気のレイアウトといえます。
交換も50万〜100万円と比較的安く行えて、配管や配線の問題がクリアできる場合、他のレイアウトから壁付けI型へのレイアウト変更でも50万円〜150万円とリーズナブルです。
施工例は独立型キッチンからの間取り変更で、壁付けの背面にはコーヒーマシンの台を置くご予定だそうです。
キッチン自体に居心地の良さを求めた大人のリフォームでした。
L型キッチン(壁付け・対面)
https://yskitchen.co.jp/blog/news164-nachurarukittin.html
動線が三角形(ワークトライアングル)のため移動距離が少なく、作業効率が良いL型キッチンは、交換が50万円〜150万円、レイアウト変更は100〜200万円ほどです。
L型キッチンは壁付けと対面の両方が選択できるため使い勝手がいいですが、I型キッチンよりは多少高めの費用がかかります。
施工例は持ちビルの最上階をオーナーズルームにするためのリノベーションですが、構造上存在する梁や柱を上手くいなしながら自然に仕上げる工夫がしてあります。
入ってすぐ目に付く柱はアート作品さながらの意匠性で、資産価値も満足度も上がる施工例です。
対面アイランド型キッチン
https://yskitchen.co.jp/blog/news150-modannasiroikittin.html
アイランド型キッチンは対面式で、キッチンの中央に島のように配置されます。
おしゃれなうえに解放感がありますが、通路確保にスペースが割かれます。
他のキッチンに比べて本体価格が高めで、リフォーム費用はスタンダードタイプで100万円〜200万円、ハイグレードタイプで175万円〜350万円ほどです。
施工例はアイランドと壁付I型とのⅡ型キッチンですが、床と窓枠と機器類以外を白で統一しているため、モダンなインテリアのようなキッチンに仕上がっています。
大容量の壁面収納と統一感ある仕上がりは、オーダーキッチンのなせる業です。
対面ペニンシュラ型キッチン
https://yskitchen.co.jp/blog/news85.html
対面式ペニンシュラ型は片方の端のみが壁に接していて、半島(ペニンシュラ)のようなレイアウトが特徴的な、見通しが良く解放感あるキッチンです。
壁付けからペニンシュラ型への変更には80〜200万円程度ですが、もっと安くできる場合もあれば、グレードによってはもっと高額になる可能性のあるレイアウトです。
施工例は背面のカップボードとセットで、重厚感のあるオーク材を使用しています。
換気扇の壁の反対側にエアコンを設置し、その下から伸びるカウンターは奥行きがあるため飾る楽しみがあるなど、ちょっとした工夫が活きるリフォームです。
マンションのキッチンリフォーム検討の注意点
マンションのキッチンリフォームには制約がありますが、工夫次第で理想のキッチンを作り上げることが可能です。
マンションのキッチンリフォームについて、検討の際の注意点を紹介します。
規約をよく確認する
マンションのキッチンリフォームを検討する際には、事前にリフォームに関する規約をよく確認しましょう。
改めて、マンションリフォームでありがちな制約について一例を紹介します。
- 移動の制限……シンク・キッチン全体・レンジフードなど
- 使用量の制限……電気・ガス
- 搬入経路や養生方法の指定がある
- 工事できる時間帯や曜日の指定
- 床材・壁材などの制限
マンションでキッチンリフォームを思い立ったら、まずは管理組合と相談するとよいでしょう。
補助金・助成金制度を利用する
マンションに限らず、キッチンリフォームには補助金・助成金制度を利用できる場合があります。
2025年2月の時点でまだ詳しい発表が待たれている情報もありますが、以下のような制度が利用できる場合があります。
制度を利用するにはリフォームを登録業者に依頼する必要がありますが、申請を代行してくれます。予算内での募集のため、早めの申請がおすすめです。
介護保険は介護認定を受けていることが要件となり、申請はケアマネージャーが代行します。
せっかくの制度のためしっかり利用して、少しでもお得にリフォームしましょう。
近隣へ配慮する
マンションは集合住宅のため、工事に伴う騒音や振動などのトラブルにならないよう、近隣への配慮が不可欠です。
共有スペースを借りる場面もあるかもしれないため、予定が立ったら住人に工期の目安や工事の内容など、迷惑をかけるかもしれない旨を伝えておきましょう。
キッチンのリフォームにかかる工期
キッチンリフォームにかかる工期の目安は一般的に以下の通りです。
- キッチン入れ替え……1週間以内
- 内装変更がある場合……1週間前後
- レイアウト変更・キッチンの移動がある場合……2週間~長くて3ヶ月
キッチンの入れ替え程度なら、1日の工事中の内2~3時間程度、水道が使えない時間帯がありますが、時間さえ把握していればそう問題はありません。
レイアウト変更がある大規模なリフォームになると、料理ができない・水道や電気が使えない期間が長くなるため、事前準備が必要となるでしょう。
マンションリフォームが得意な業者に相談する
マンションリフォームは建物の構造や管理規約などの問題に対して経験と実績がある業者に依頼すると安心です。
そのためにもまず、少なくとも2社以上に見積もりを依頼しましょう。
マンションリフォームの構造や制約については、個人でさまざまな判断をするのは大変難しい問題です。
マンションリフォームに詳しい経験豊富な業者に見積もりを依頼して、具体的なプランの提案と的確なアドバイスを受けましょう。
まとめ
マンションのキッチンリフォームは制約が多いこと、その中でもできるリフォーム、キッチン交換やマンションに向いているレイアウトの一例などを紹介しました。
制約が多いため、その範囲内で希望のキッチンを叶えようとすると、難しい部分も出てくるかもしれません。
しかしオーダーメイドなら制約の多いマンションでも柔軟に対応できます。
ワイズキッチンファクトリーは、幅広いリフォームのための知識と経験を積み重ね、新築・増改築も請け負える建設業許可を取得しているオーダーキッチンメーカーです。
横浜・東京でマンションのキッチンリフォームをお考えの方はぜひ一度ワイズキッチンファクトリーへご相談ください。
できないと諦めていた理想のキッチンリフォームが、叶えられるかもしれません。