キッチンの壁を楽しもう!素材の種類や選び方・活用法を詳しく紹介
キッチンの壁は、部屋の壁とは異なり、調理という作業に合った素材や性能が求められます。
とはいえ毎日使う場所ですから、居心地よく過ごせるよう、お気に入りの壁にしたいものです。
この記事では、キッチンの壁に合った素材の条件や種類・選び方、キッチンの壁面の活用法などを紹介します。
新築やリフォームなどの際、キッチンの壁を思い通りに充実させるための参考にしてください。
キッチンの壁に求められる特徴
キッチンの壁は油汚れや水濡れ、温度による影響に気をつけなければいけません。
キッチンの壁に求められる素材や性能など、特徴について紹介します。
燃えにくい
キッチンでは火を扱うため、耐火性のある壁を選ぶ必要があります。
住宅のキッチンは『火気使用室』との位置づけがあり、内装が他の部屋に燃え移る原因とならないよう、建築基準法による『内装制限』に従った壁材を使用する必要があります。
耐火性を求めるこのような基準をクリアする必要があるため、リフォームを検討する場合は業者に相談しましょう。
水に強い
キッチンには水に対する内装制限はありませんが、水を頻繁に使うため、耐水性も求められます。
壁が濡れやすかったり乾きにくかったりすると腐食やカビ・変色の原因となり、継ぎ目があると水が入り込んでトラブルの原因となる場合もあるため、水対策は重要です。
キッチンを長く快適に使用するには、水まわりに適した壁を選ぶ必要があります。
掃除がしやすい
キッチンの壁には掃除しやすい素材を選ぶと、忙しい現代人でも手入れが行き届くためおすすめです。
キッチンの壁は水垢や油汚れなど、後回しにすると落としにくい汚れがつきやすい場所です。
凸凹が多く汚れが入り込みやすい質感や、染み込んでしまうような素材のものは避けた方がいいでしょう。
サッと拭く程度で汚れが落ちるような、手入れのしやすい壁が適しています。
戸建てと集合住宅で違いがある
キッチンに対する内装制限は、戸建てと集合住宅では違いがあり、特に集合住宅の場合は近隣に燃え移りやすいため、特に内装制限が厳しく設定されています。
その他にも、IHとコンロの違い、キッチンの場所が1階か2階のどちらかなのか、内装や下地に何が使われているのかなど、条件によって戸建てでも一部制限を受ける場合があります。
キッチンの壁選びは安全性を確保する必要があるため、プロの確認のもとでの検討が安心です。
キッチンの壁の種類
キッチンに使用できる壁材には以下のような種類があります。
- タイル
- モルタル
- レンガ
- ステンレスパネル
- ホーローパネル
- メラミンパネル
- 壁紙・リメイクシート
これらについて一つずつ、いくつかの施工例も交えて紹介します。
タイル
https://yskitchen.co.jp/blog/news156-youkankittin.html
タイルは高級感もさることながら、耐火・耐水とも優れた素材です。デザイン性が高く、バリエーションも豊富です。
リフォーム費用は、壁一面を5㎡として20万円前後で、他の壁材に対して若干高めですが、劣化しにくいためコストパフォーマンスは悪くありません。
ヒビ割れが気になる目地は補修ができるため、定期的に見直すのがおすすめです。目地の汚れは目地が白ければ漂白剤、そうでなければ重曹を使うと良いでしょう。
施工例はタイル張りが贅沢に施された本格的な洋館を思わせるキッチンです。
窓際も抜かりなく美しいタイル割りが行われていて、自然に手入れをしたくなる仕上がりです。
モルタル
https://yskitchen.co.jp/blog/news07.html
モルタルはセメント・砂・水を混ぜて作る、床や壁などに塗る建材で、コンクリートに塗るときれい目に見えます。
メンテナンスを定期的に行った場合の寿命は約30年といわれ、費用は1㎡1,500~4,000円という相場ですが、下地やモルタルの種類で価格は変動します。
耐火性に優れ、水まわりに使用するには防水加工が必要ですが、塗装を施すと耐久性が高くなります。未処理の場合は汚れがつきやすいため、早めの拭き取りが必要です。
左官の職人さんによる仕上げ方でさまざまな模様にしたり、カラーモルタルなどを使ったりすることでデザインの自由度も高くなります。
施工例は、対面キッチンの腰壁と、キッチン壁面の腰の高さまでモルタルが使われています。
徹底したモノトーンに木を合わせお互いを引き立て合う、オーダーメイドならではのキッチンになりました。
レンガ
https://yskitchen.co.jp/blog/news04.html
レンガの中でもピザ窯にも使われている耐火レンガは1000℃まで耐えるため、キッチンに取り入れる人は少なくありません。
水まわりには吸水性が低く耐水性に優れている普通レンガが向いています。また、レンガは油を吸うため、多少掃除を怠ってもあまり汚れが目立ちません。
費用相場は1㎡あたりの材料費が4,500~15,000円程度で、これに基礎や施工費が上乗せされます。
目地はタイル張りと同様、汚れたりヒビが入ったりするため、定期的な確認がおすすめです。
施工例は火元となるコンロ周りのみのレンガですが、機能としてはもちろんポイントとしてもしっかり役割を果たした、フレンチテイストのキッチンの一部になりました。
ステンレスパネル
https://yskitchen.co.jp/blog/kitchen_reform_tobira_mintgreen.html
ステンレスパネルは耐火性・耐水性とも高く、総合的な耐久性に優れる壁材です。掃除がしやすく、保護膜ができる性質のため錆びも発生しにくく、清潔に保てます。
色はシルバーのみで傷が付きやすい素材ですが、細かい傷がいくつもつくうちに、目立たなくなっていきます。
ステンレスパネルの費用相場は1㎡約13,000円からですが、重ね張りや貼り替えなどの施工方法や厚みなどの違いでも金額は変わります。
施工例はスモーキーなミントグリーンとナチュラルな木目という柔らかい印象の組み合わせですが、無機質なステンレスが全く違和感なく、むしろ機能的なキッチンへと昇華しています。
ホーローパネル
ホーローパネルはキッチンだけでなく浴室などにも使用される人気の高い素材です。無地や木目調、大理石調などがありますがデザインは限られています。
傷がつきにくくガラスのような美しさを持ち、耐火性や耐水性、汚れ落ちに優れています。
マグネット収納が使えるため、収納の確保や見せる収納ができるなど便利でおしゃれな使い方が可能です。
表面のガラス層が欠けると内部の金属が錆びるリスクがあるため、強い衝撃を与えないよう注意が必要です。
費用相場はキッチンパネルの中では若干高く、本体が1㎡約20,000円程度で、厚みや工法によって上乗せがあります。
メラミンパネル
https://yskitchen.co.jp/blog/news158-modankittin.html
メラミンパネルはキッチンの壁材として主流になりつつある素材です。
耐水性・耐火性はもちろんのこと、表面加工がしやすくデザインの種類も豊富なため、キッチンの雰囲気にも合わせやすくなっています。
費用相場は幅があり、1㎡5,000~12,000円程度ですがキッチンパネルの中では最安値です。
施工例はすっきりとした無地のメラミンパネルで、メラミン化粧板によるマットな質感のカウンターや扉・木目のウォールキャビネットの重厚感を引き立てています。
壁紙・リメイクシート
壁紙やリメイクシートの中には耐火性や耐水性があるものや、キッチン用壁紙なども出回っています。
低価格で気軽にデザインを変えられるため、コスト重視の場合は壁紙を貼るのもいいかもしれません。
しかし、他の壁材に比べると耐久性は期待できないため、汚れが心配なコンロ前などは避けた方がいいかもしれません。
貼り換えも、10年前後あたりで必要になると考えておきましょう。
キッチンの壁面の活用法
キッチンの壁といえば、壁紙だけでなく収納としての活用も考えてみましょう。
最後に、キッチンの壁面の活用法を紹介します。
プロにリフォームを依頼して壁面収納を
プロにリフォームを依頼して壁面収納を作ってもらうことには、多くのメリットがあります。
- 空いているスペースを有効活用
- 部屋とキッチンのイメージを統一できる
- 低予算でも可能
- 壁にぴったり作れるため掃除が楽
- 見せる収納でおしゃれな演出ができる
リフォームの機会にダウンキャビネットなどを付けると、デッドスペースだった高い所のものも取り出しやすくなります。
活用しがいのある空いている壁がある場合は、プロの力を借りることを検討してみましょう。
マグネットタイプのキッチンパネル
マグネットタイプのキッチンパネルの場合、市販のマグネットグッズを簡単に取り付けて、さまざまに活用できます。
磁石が付くパネルといえばホーローパネルですが、中にはステンレスパネルにも同様のものがあります。
キッチンパネルをマグネットタイプにすると、作業台に置いていたスパイスや引き出しにいれていた調理器具など、よく使うものを壁面に収納できるため、作業効率が上がります。
また、レシピ動画を見るためのスマートフォンやタブレットを置く場所などが壁にあると便利でしょう。
スペースに余裕があれば見せる収納も可能です。壁面収納は磁石でついていて外すときも簡単であるため、気軽な気持ちでお気に入りのアイテムを飾れます。
コンロ近くに設置すると燃え移りの原因になるため、設置位置には気をつけましょう。
有孔ボードでDIY
有孔ボードは壁面収納の定番ですが、キッチンにもピッタリです。
後で取り外しができるよう、ディアウォール(つっぱり棒のように「上下に突っ張らせて設置できる柱)を利用してつけた柱に貼って設置するのがおすすめです。
配置を気分で変えられ、ちょっとしたディスプレイも可能です。
色や大きさ、価格もさまざまなものが出回っているため、部屋のイメージに合ったものが見つかるでしょう。
つっぱりタイプのラック
つっぱりタイプのキッチンラックは、その手軽さの割に収納力が高いためおすすめです。
工具が不要で簡単に取り付けられ、中には横幅の調節が可能なものもあります。
シンプルなステンレス・ハードなブラック・木目調など、素材やデザインも多いため、イメージが合うものもきっと見つかるでしょう。
壁面収納のコツ
出しておくものと隠しておくものをきちんと分けることで、キッチンがすっきり見えてなおかつ使いやすいものになります。
壁面収納をすっきりと使いやすいものにするには、以下のように分けてみましょう。
- 見せるものと隠すものを分ける
- すぐ使うものと使用頻度が低いものを分ける
- 出しておきたいものは浮かせる
デザイン性の高いものや毎日使うものは、表に出して見せる収納にします。見せたくないものと使用頻度が低いものは隠しましょう。
例えば調味料は壁面収納で並べて、トングやレードル、スパチュラなどもきちんと向きを揃えて並べるときれいに見せられます。
また、右利きの人はいつも使うものを右側へ置くと、より作業効率が上がります。
いつも使うものでも見せたくないものは取り出しやすい所へしまい、使用頻度の低いものは吊戸棚の上など、動線も考えて収納しましょう。
そして、いつも出しておきたいものはフックや棚などを活用し、ワークトップへ置かないようにすると掃除が楽になります。
壁を上手に使って、作業効率もセンスも良いキッチンに整えましょう。
まとめ
キッチンの壁は内装制限の範囲内で選ぶ必要がありますが、豊富な種類があり、好みのテイストや雰囲気に仕上げることができます。
しかし、依頼主様の望む壁のイメージを理解して実現するには、壁材の選択の他にも技術と経験が必要です。
ワイズキッチンファクトリーはキッチンを、永く愛着を持てる『インテリア』として考えているオーダーキッチンメーカーです。
建設業許可を取得しているため、オーダーキッチンメーカーとしてだけではないスタンスで、お客様の希望を叶えるお手伝いができる強みがあります。
横浜・東京でオーダーキッチンや壁のリフォームをお考えの方はぜひ一度、ワイズキッチンファクトリーに、お気軽にご相談ください。